
ADASの中核機能であるAEB(自動緊急ブレーキ)、ACC(アダプティブクルーズコントロール)、LKA(レーンキーピングアシスト)は、法規・NCAP・ユーザー期待を満たすために、非常に細かな要件定義と仕様策定が必要になります。
この記事では、「採用や外注・オフショア活用を検討している立場から見た、要件定義と仕様策定をどう外に出すか」をイメージしやすいよう整理します。
AEB・ACC・LKAなど代表機能の安全要件・性能要件
AEBは、前方車両や歩行者などとの衝突を回避・軽減するための機能で、対象物の検出、衝突リスクの評価、警報と自動ブレーキ介入のタイミングが重要になります。
安全要件としては、「一定速度域で、一定距離以内に障害物がある場合、衝突速度を○km/h以下に低減する」など、シナリオ別に目標性能を定量化することが求められます。
ACCは、前走車との車間距離や相対速度をもとに、加減速を自動制御してドライバー負荷を軽減する機能であり、「追従安定性」と「乗り心地」の両立が鍵になります。
LKAは、車線内走行を支援する機能で、車線検出精度・操舵介入の滑らかさ・ドライバーへの操作感など が性能要件として重視されます。
これらの機能は、単に動けばよいのではなく、「どの状況で、どのくらいの精度・タイミングで介入するか」を明示した要件・仕様が必要になります。
ユースケース・シナリオベースでの要件定義手法
代表的ADAS機能の要件定義では、「ユースケース・シナリオベースで整理する」ことが成功の鍵になります。
例えばAEBであれば、
都市部での低速前方追突回避
高速道路での前走車急減速
夜間の歩行者飛び出しなど、使用環境やドライバー行動を踏まえたシナリオ単位で、「何が起きたときに、システムがどう振る舞うか」を定義していきます。
このとき、ユースケース(利用場面)→シナリオ(時間軸での出来事の流れ)→システム要求(システムとして望ましい振る舞い)→ソフトウェア・ハードウェア要求(個別コンポーネントの要求)という流れで、階層的にブレークダウンしていく手法が有効です。
シミュレーション環境やテストケースとの対応を意識して要件を記述しておくことで、後工程での検証効率も大きく向上します。
日系OEM特有の品質要求とドキュメント文化への対応
日系OEM・ティア1では、「動作品質」に対する期待が高いだけでなく、ドキュメントやレビューの文化が非常に重視される傾向があります。
仕様書や設計書は、単なる内部メモではなく、「部門をまたいだ合意形成の道具」として機能しており、以下のような特徴がよく見られます。
詳細レベルまでの仕様を文章と図で丁寧に説明する
レビュー・承認プロセスが明確に定められている
不具合や仕様変更の履歴・理由をきちんと記録しておく
そのため、要件定義や仕様策定を外部に任せる場合も、「日本側のレビュー文化・品質基準を理解していること」「レビュー用資料を日系スタイルで整えられること」が極めて重要になります。
ドキュメントのフォーマットだけでなく、「どの粒度で書くとレビューが通りやすいか」「どのような観点でレビューされるか」まで把握しているパートナーであれば、社内メンバーの手間を大きく減らせます。
ijbridgeによる要件定義支援と仕様書作成サポート
ijbridgeは、日本の自動車メーカー・ティア1と長く協業してきた経験から、「日系OEMスタイルの要件定義・仕様策定」に慣れたエンジニアを多数抱えており、日本常駐のメンバーがフロントに立って支援できることが強みです。 具体的には、以下のような支援が可能です。
機能要求の整理・ユースケース/シナリオ定義のファシリテーション
既存仕様書・評価結果・不具合情報を踏まえた要件のブラッシュアップ
日系フォーマット・レビュー文化に合わせた仕様書テンプレート作成
レビュー会議の準備(議題整理・論点整理・検討案の提示)
採用・委託担当者の視点では、「単に英語資料を和訳してくるだけの外注」ではなく、「日本語でレビューしやすい仕様書・検討資料を自走して出せる外部チーム」を持てるかどうかがポイントになります。
ijbridgeは、日本側に日本語ネイティブまたはビジネスレベルのエンジニアを常駐させ、仕様策定とコミュニケーションを一体で支援するモデルを前提としています。
インドオフショアを活かした仕様レビューと改善サイクル
仕様策定・レビューは一度きりではなく、「実装・テスト結果を踏まえた継続的な改善サイクル」として回していく必要があります。
この継続的な見直しやレビューの一部を、インドオフショアチームに上手く切り出すことで、社内リソースの負荷を減らしながら、仕様品質を高められます。
例えば、
テスト結果やログから「仕様の曖昧さ」「想定漏れシナリオ」を洗い出す作業
類似機能や他車種の仕様との比較・差分整理
次期モデルに向けた改善案のドラフト作成などは、ルールとフォーマットさえ整えれば、オフショアチームに任せやすい領域です。 ijbridgeでは、日本側のリーダーがレビュー方針・観点・テンプレートを定め、インド側チームが大量の仕様・ログ・テスト結果を分析・整理し、「次のレビューで議論すべきポイント」を抽出する役割を担うことができます。
採用・業務委託・プロジェクト請負の担当者としては、「どこまで仕様策定を社内で握り、どこからを外に出すか」「レビュー・改善サイクルのうち、どの部分をオフショアに任せるか」を設計することが重要です。

ijbridgeは、この境界設計から一緒に検討し、「日本常駐リーダー+インド仕様レビュー/改善チーム」という構成で、AEB・ACC・LKAなど代表的ADAS機能の要件定義・仕様策定を長期的に支えるパートナーとして活用していただけます。






