

この記事では、ADASシステムアーキテクチャの基本構造と、それに対応した「日本×インド」ハイブリッド開発体制の組み方を整理します。
読み終わるころには、自社プロジェクトのどこにijbridgeのチームを組み込めるかがイメージしやすくなる構成です。
ADAS構成要素の整理
ADASシステムは、大きく「センサー」「ECU(認識・制御)」「アクチュエータ」「バックエンド・クラウド」の4つの要 素に分解すると整理しやすくなります。
車両側ではカメラ、レーダー、LiDAR、超音波センサーなどが環境情報を取得し、それらのデータがECUに集約され、認識アルゴリズムと制御ロジックが動作し、最終的にステアリング、ブレーキ、パワートレインなどのアクチュエータが作動します。
さらに近年は、地図データやクラウドサービスと連携し、車両単体ではなく「車両+ネットワーク+クラウド」を含めた全体システムとしてアーキテクチャを設計することが求められています。
これにより、従来の車両制御だけでなく、画像処理、AI、通信、サイバーセキュリティなど、複数ドメインの専門性を統合する必要が出てきます。
インターフェースと責任分解の重要性
ADASアーキテクチャを設計する際の鍵は、「どこで機能を区切り、どの境界をインターフェースとして定義するか」です。
センサーとECUの間、複数ECU間の通信、ECUとバックエンドとの接続など、それぞれのインターフェース仕様を早期に固めることで、関係者が並行して開発しやすくなります。
同時に重要なのが、「インターフェースごとに誰が何に責任を持つか」を明確にすることです。例えば、「物体検出の精 度責任をどこまでセンサー側が負うのか」「追従制御の挙動はどこから制御ECUの責任か」などを具体的に決めておくと、設計変更や不具合解析の際の議論がスムーズになります。
責任分解が曖昧なまま開発が進むと、後工程での手戻りや「責任のなすりつけ合い」に直結します。
OEM・ティア1・開発パートナーの役割分担
典型的なADASプロジェクトでは、OEMが車両全体のコンセプトや法規・NCAP対応方針、機能要求を定め、ティア1がECUやセンサーモジュールの設計・製造とシステムインテグレーションを担います。
外部開発パートナーは、アルゴリズム開発、テスト、データ解析などの一部領域をOEMまたはティア1から委託される形で参画するケースが一般的です。
ここでポイントになるのは、開発パートナーを「単なるリソース補完」として扱うのか、「技術責任を持った拡張チーム」として位置付けるのか、というスタンスの違いです。
後者として早い段階から仕様検討やテスト戦略に関与させることで、工数削減だけでなく、品質や開発スピード、ノウハウ蓄積の面でも大きな効果を期待できます。
ijbridgeが参画できるフェーズと担当範囲
ijbridgeのADAS専門部門は、「要件定義〜実装〜検証」までのライフサイクル全体を見据えた参画を前提にしています。
上流フェーズでは、日本側に常駐するシステムエンジニア・アーキテクトが、OEMやティア1のリードエンジニアとともに機能分解、インターフェース設計、責任分解を整理し、仕様書や設計書の作成・レビューを支援します。
中流以降のフェーズでは、インド側のオフショア開発チームが、アルゴリズム実装、ユニットテスト、MiL/SiLやHiL環境での検証、テスト自動化スクリプト作成、ログ解析など、ボリュームの大きいタスクを担います。
その間、日本常駐のijbridgeメンバーが、お客様との窓口、品質管理、タスク調整のハブとして機能し、「日本側は企画・仕様・重要判断に集中し、繰り返し作業や大量タスクをオフショア側に委ねる」という構図を実現します。
共創型開発体制の設計ポイント
共創型の開発体制を成功させるには、「アーキテクチャ」と「組織設計」をセットで考えることが重要です。
機能やサブシステムごとにチーム境界を定義し、「このサブシステムは日本側リーダー+インド側チームで完結させる」「このインターフェースから先はijbridgeが責任を持つ」といった形で責任範囲を決めることで、外部パートナーも含めた一体的なチーム運営がしやすくなります。
ijbridgeは、「日本側1〜数名の常駐リーダー+インド側5〜30名規模の開発・テストチーム」という構成を得意としており、貴社の人員・スケジュール・予算に合わせて、まずは一部機能や試験領域から小さく立ち上げることが可能です。
うまく回ったモデルをテンプレート化し、次機種や別機能に横展開していくことで、「スケールするADAS開発体制」を段階的に構築できます。






